地球と自分を幸せにする就職のための情報はどこに?!

2015.10.10 UP

東京都市大学環境学部枝廣淳子研究室(横浜市都筑区)と幸せ経済社会研究所(有限会社イーズ内 本社:東京都世田谷区)は、「地球と自分を幸せにする企業の情報の見つけ方」プロジェクトの調査結果を公表しました。


このプロジェクトでは、就職活動中の学生に人気がある企業41 社のCSR(企業の社会的責任)情報が掲載されているCSR 報告書・サステナビリティレポート、統合報告書、アニュアルレポートを「就職活動中の学生が知りたい情報が記載されているか」という点から分析しました(目標の高低や達成状況の評価など情報の中身の優劣ではなく、情報記載の有無だけを調べています)。調査の結果、「就職活動中の学生が知りたい情報」の開示度の高い報告書を発行している上位10 社は以下の通りでした(120 点満点)。


  1. 1位   サントリーグループ(119 点)
  2. 2位   味の素株式会社(102 点)
  3. 3位   損保ジャパン日本興亜ホールディングス(100.5 点)
  4. 3位   三井住友海上火災保険(MS&AD ホールディングス)(100.5 点)
  5. 5位   凸版印刷株式会社(100 点)
  6. 6位   東京海上ホールディングス(96 点)
  7. 7位   資生堂グループ(95.5 点)
  8. 7位   りそなホールディングス(95.5 点)
  9. 9位   伊藤忠商事株式会社(95 点)
  10. 9位   日立グループ(95 点)


 1位のサントリーグループのCSR 報告書は、120 点満点中119 点と、就活生・学生が就職を考えるにあたって知りたいと思う情報を網羅的に開示している報告書でした。特に、企業そのものについての情報(企業軸)だけでなく、従業員にとってどのような職場なのかについての情報(自分軸)についても、制度や取り組み、実績、データなど伝えるものとなっており、このような報告書が増えれば、自分の関心に沿った情報を得た上で就職を考えられる学生が増えると思われます。


なお、上位10 社が発行している報告書はすべて「CSR 報告書」であり、統合報告書やアニュアルレポートを発行している企業は上位10 社にはありませんでした。就活生・学生が求める情報を探すにはCSR 報告書が有効であることがわかります。


41 社の総合点の平均点は75.8 点でした。41 社の結果の分析から、以下の全体的な傾向がわかりました。
○ 自分軸に比べ、企業軸の情報を厚く開示している報告書が多い
   → 企業軸の平均点は51.5 点、個人軸の平均点は24.4 点でした。
○ 報告書の種類別に見ると、統合報告書・アニュアルレポートは、全般的に得点が低く、就活生・学生の求 める情報の開示が少ない
   → 総合点の平均値を見ると、CSR 報告書は78.5 点、統合報告書・アニュアルレポートは67.6 点でし た。
○ 就活生にとって重要な情報である個人軸について多く掲載しているのはCSR 報告書が多い
   → 個人軸の平均点はCSR 報告書が27.2 点で、統合報告書・アニュアルレポートは15.5 点でした。


このプロジェクトを主導した東京都市大学の枝廣淳子教授は、「CSR 報告書には、就活生や学生が知りた い情報もたくさん掲載されています。このプロジェクトを通して、就活生には企業研究にCSR 報告書を活用 できることを伝えたい。企業には、投資家向けの情報だけではなく、就活生・学生などのステークホルダーが 関心を持つ情報ももっと掲載してほしい」と述べています。



<資料編>
【プロジェクトの進め方】

  1. ⑴ 就活生・学生が「就職にあたって企業について知りたい情報」を、約200 名の学生から集めました。学生が知りたい情報は「企業についての情報(企業軸)」と、「従業員個人にとっての情報(自分軸)」に分かれることがわかりました。
  2. ⑵ 学生から集めた「知りたい情報」を、企業軸・自分軸ごとに、米国の心理学者マズローの5 段階欲求理論に「利他・コミュニティ発展の欲求」を加えた「欲求5+1段階」の枠組みにまとめ、スコアシートを作成しました(表1)。
  3. ⑶ 独立した4つの「就職したい企業ランキング」のすべてに取り上げられていた企業を調査対象としてリストアップし ました(表2)
  4. ⑷ 各社のCSR 報告書、統合報告書などを対象に、(2)のスコアシートに基づき、情報の記載の有無を調査しまし た。
  5. ⑸ 企業軸・自分軸の各欲求段階(6段階)のそれぞれの段階に10 点ずつを割り当て、各報告書の点数をつけました (企業軸60 点、自分軸60 点、総合点120 点)。同時に、全体の傾向を分析しました(グラフ1)。

表1:「マズローの欲求5+1段階理論」に基づく本プロジェクトの分析枠組み
表1「マズローの欲求5+1段階理論」に基づく本プロジェクトの分析枠組み


表2:調査対象企業(五十音順)
表2 調査対象企業(五十音順)


グラフ1:報告書別の得点分布
グラフ1 報告書別の得点分布

プレスリリースのPDFはこちらをご覧ください。
なお、本プロジェクトの詳しい内容については、『就活生・学生のための「地球と自分を幸せにする企業」の情報の見つけ方」ガイドブック』をご覧下さい。

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