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環境情報学科H.B.リジャル准教授企画による空気調和・衛生工学会特別記念講演会熱的快適性と適応の原理と実践が東大生産技術研究所にて行われます

 
熱的快適性と適応の原理と実践


このたび、Adaptive Comfort (適応的快適性)の概念の提示で世界的に知られる英国のニコル教授をお招きし、空気調和・衛生工学会 国際名誉員 特別記念講演会を企画しました。 Nicol教授はHumphreys教授(空気調和・衛生工学会 国際名誉員)とともにAdaptive Comfort (適応的快適性)の概念を提示したことで世界的に知られています。教授が1972年に発表した論文は、熱的快適性とは、人と環境との熱交換だけでなく、人の環境への働きかけによっても決まる自律制御システムであると定義しています。その後、地球環境問題が顕在化するなかで「適応」を考慮した環境負荷の低い温熱環境設計に注目が集まり、ここ数年のあいだにASHRAE やCEN (The European Committee for Standardization)の熱的快適性に関する基準が適応的快適性を導入してあいついで改訂されるに至っています。欧米では実際の建築設計への適用がすでに始まっています。  教授はNicol Graph (快適温度と外気温度を比較した図) やNicol Scale(適温感の5段階尺度)の提案でも広く知られています。現在も活発に研究を進め、新しい視点で次々と論文や著作を発表しておられます。CIBSE (The Chartered Institution of Building Services Engineers)のガイドの更新や、CEN基準の作成、Windsor国際会議の企画(1994, 2001, 2004, 2006, 2008, 2010, 2012)、NCEUBの運営などにも取り組んでおられます。  Nicol教授は2008年に、空気調和・衛生工学会主催「建物における熱的快適性の適応的基準」と題する講演会において講演を行われました 。講演会は96名と多数の参加者を集め、活発な質疑応答が行われ、参加者から高い評価を得ることができました。講演会の資料として書き下ろした論文は翻訳され、空気調和・衛生工学会誌に掲載されています 。

【講演概要】
建物の基本的な機能は、安全で健康なシェルターを提供することです。さらに建物は、快適性や楽しさも提供します。20世紀において快適性は、機械によって生産され安価なエネルギーに支えられる「製品」となりました。現在、世界中で化石燃料が枯渇し価格が高騰して、異常気象が頻繁に発生していますが、このような状況においてあえて快適な建物を設計しようとするのであれば、新しいアプローチが必要となります。 建築家は建物の性能に対する責任を設備技術者に転嫁する傾向があります。設備技術者のほとんどは、快適性を単純な快適モデルを用いて設計する「製品」とみなすように訓練されています。結果として、建物は多くのエネルギーを使うようになりました。今日、エネルギー使用量の少ない建物が国際的にますます求められるようになってきています。すなわち設計者はまず、居住者の環境要求に合わせて何度でも変更できるような、頑丈でパッシブな構造を提供しなければなりません。お金のかからない自然エネルギーを活用した換気を優先的に採用し、機械的空調は気候的に必要な場合のみ使用するべきなのです。 この講演は、新刊本『熱的快適性と適応―原理と実践』に基づいています。この本は2部から構成され、第1部は熱的快適性と適応の根拠となる原理を紹介しています。第2部は、実際の熱的快適性を測定するためのフィールド調査をどのように活用するか、また集めたデータをどのように分析するかについて説明しています。気象や気候に応じて変化する室内外の状態に適応して、われわれは体、心、建物、そしてこれらからなるシステムを使ってどのように快適性を保っているのでしょうか。ニコル教授が明快にわかりやすく説明します。 学生、教育者、建築や建設技術や建物管理に携わる実務家など、21世紀において適応的で低炭素で快適な建物を作り住まう役割を担うすべての人々にとって、この講演は有益なものとなるでしょう。

【講師】  Fergus Nicol名誉教授(Oxford Brookes大学)
【日時】  2012年5月16日(水) 16:30〜18:00(約30分の質疑応答を含む)
【場所】  東京大学 生産技術研究所 Dw601セミナー室
【定員】  84名(申し込み先着順で定員になり次第締め切り)
【参加費】  無料
【講演言語】  英語(日本語版のスライド有り、質疑応答は通訳可能)
【共催】  東京都市大学 環境情報学部
【後援】  空気調和・衛生工学会 国際関係委員会
【企画】  HBリジャル、大岡龍三
【申込方法】  東京都市大学 環境情報学科のHBリジャルに氏名、所属などを書いてメール(rijal@tcu.ac.jp)でお申し込み下さい。
【プログラム】
司会  HBリジャル(東京都市大学)
16:00〜 受付開始
16:30〜16:35  開会挨拶 加藤信介(東京大学)
16:35〜17:30  講演 Fergus Nicol (Oxford Brookes大学)
17:30〜17:55  質疑応答
17:55〜18:00  閉会挨拶 大岡龍三(東京大学)

その他、講演詳細についてはこちらから御覧ください。

2012/5/8