高校生の皆さんへ

  ランドスケープ・エコシステムズ 田中章研究室へようこそ

上:田中章先生 中:ハビタット植物図鑑 下:流域指標生物図鑑 私たちの研究室では、生態系保全を目的とした図鑑を毎年3年生が1年かけて作成しています。
 今日まで森林や湿地、海岸等において、道路や港が建設されたり、住宅地に改変されたりと多くの自然環境が失われてきました。自然環境が失われることは、動物や植物が死滅してしまうだけでなく、大気汚染や水質汚濁、美しい景観が失われるなど、人間にとっても深刻な問題を引き起こしてしまいます。
本研究室では、人間活動によって失われた「自然の復元・創造」を促進させるためのあらゆる調査、評価、計画、政策、国際協力を対象として研究に取り組んでいます。例えば、道路やダム建設等の大規模な開発事業が計画された場合、それが自然環境にどの程度の影響を与えるのかを予測し、評価します。これを「環境アセスメント」といい、今日の日本では大規模開発の際には「環境アセスメント」の実施が義務付けられ、野生動物への悪影響が予測される場合には、それを回避・最小化・代償するための対策(これを「ミティゲーション」といいます)が提案されることになっています。
 また、都市域では、わずかな自然しか残っておらず、これから自然を復元・創造するにも、土地の確保が困難であるという事実があります。そこで、建築物の屋上や壁面、有効に活用されていない斜面地に着目し、それらを利用して都市域における自然あるいは野生生物のすみか(これを「ハビタット」といいます)を増やし、地域全体の生態系を向上させていくことを目的とした研究も行っています。
  ところで、皆さんや皆さんのご両親はこのような分野は生活が不安である、就職できないなどと思わるかもしれませんが、これは大きな誤解です。田中助教授自身、実社会の企業でこの分野の専門家として従事してきました。また、卒業生は環境アセスメントや環境デザインの仕事に従事しています。やりたいことを仕事にする。田中研究室は、かけがえのない地球生態系を次の世代に引き継ぐ専門家の養成を目指しています。私たちは、このような分野に興味をもつ若い人を「病める地球を自ら修理する、地球の白血球!」と考えています。
 みなさんは高校で「文系」と「理系」に分かれて学んでいると思います。しかし、現実の「環境」は人間が決めた枠の中には収まってくれません。「環境」を学問の対象にしている本研究室では、文系の領域でもあり理系でもある「新しい領域」が研究のフィールドとなります。私たちの研究室に少しでも興味をもってくれたら、ぜひ下記のホームページも見てください。ランドスケープ・エコシステムズ研究室に興味を持った高校生が遊びに来てくれることをいつでも楽しみにしています。

(ホームページアドレスhttp://www.yc.tcu.ac.jp/~tanaka-semi/)

気球から藻類群落をカメラ撮影
保全しつつ利用するハワイのビーチ