介護用紙オムツの環境負荷とメーカーによる環境配慮の実態はどのようになっているのか?

緒方峻   2016.1.10 UP

目次

本レポートの概要

今回の調査においては、衛生材料団体の業界団体である、一般社団法人 日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している27社を対象として選定した。調査方法はインターネット上に掲載されているホームページの情報のみを行った。

その結果、27社の内、僅か5社のみが環境への配慮についての記載が有るに留まった。

また環境配慮の取り組みも主に森林資源の保護に偏りが見られ、さらに現行の紙おむつで多く使用されている石油起源の材料に関しての取り組みは紹介されていないという事が判明した。 それ以外では現状では難しいとされていた紙おむつのリサイクルに積極的に参加している企業があるという事も今回の調査を踏まえて判明した。

序論

日本において高齢者の数は増加傾向にあり、総務省統計局の報告書では平成25年度の高齢者人口は3186万人で過去最多となっている。

これによって総人口に占める割合は25.0%で過去最高となり、4人に1人が高齢者の計算になっている。今後高齢者は団塊世代が高齢者となっていくにつれさらに増加すると見られ、平成47年には65歳以上の人数は3741万人となっている。( 文献表出典1)

このような状況において高齢者の介護の需要は増大することが必至であると考えることが出来、比例して杖・車いす・紙おむつ等の介護福祉用品の需要も増加すると考えられる。

実際に大手メーカーのユニ・チャームの調べでは、大人用紙おむつと子供用紙おむつの市場規模は2011年に逆転し、大人用紙おむつの市場規模は子供用と比較して300億円程度大きいことが分かっている。

このように紙おむつの面では介護用等の紙おむつの需要と消費が大きくなっている。

その場合、介護福祉製品の製造量・廃棄量は増大すると考えられ、今までにはなかった環境負荷等の環境・社会的な問題が新たに発生する可能性が危惧される。

そこで今回は上記のように介護製品の中でも、消耗品であり市場規模が拡大している介護用紙おむつに焦点を当て、テーマを「介護用紙オムツの環境負荷とメーカーによる環境配慮の実態はどのようになっているのか?」として考察を行う。また本論内では5つの章に分けて考察を行う。

第1章では紙おむつの環境負荷とはどのようなものが考えられるのか、第2章ではメーカー毎の環境配慮の取り組みはどのようなものがあるか、第3章ではメーカー毎の環境配慮の取り組みはどのようなものがあるか、第4章では紙おむつのリサイクル推進についての問題点、最後に第5章では実際に行われている紙おむつのリサイクルの実例・課題についてそれぞれ考察を行う。

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第1章:「紙おむつの環境負荷とはどのようなものが考えられるのか?」

現在多く使用されている紙オムツという製品はその名前に入っている“紙”を主に使用しているというわけではない。

衛生材料団体の業界団体である、一般社団法人 日本衛生材料工業連合会によると、一般的なオムツの構造は以下の通りである。

図1

図:オムツの構造:日本衛生材料工業連合会 紙おむつの構造より引用(文献表出典2)

オムツは主に表面材・吸水材・防水材・漏れ防止の立体ギャザー・テープ等の5つに分けられる。その中で実際に紙パルプを使用しているものは給水材の中に使用されているのみである。それ以外の表面材・防水材・漏れ防止の立体ギャザー・テープ等にはそれぞれ、石油・ナフサ・ポリエチレン・ポリウレタン等、各石油起源の材料が使用されている。

さらに防水材の中にも高分子吸収材と呼ばれる石油起源の材料が使用されている。

また現状の紙おむつの処分方法にも環境負荷が高まる要因があると考えられる。

現在、紙おむつは紙の原料であるパルプ以外に複数の石油由来の素材から構成されていること、衛生面を含めると、使用後の紙おむつから安心して使える素材として取り出せない等の理由からリサイクルされずに焼却処分・埋め立て処分が行われている。

以上を踏まえ、紙おむつには以下のような環境負荷が考えられる。

1つ目は紙おむつの使い捨て・焼却処分によって発生する廃棄物の問題。

2つ目は紙おむつに使用されるパルプ等の紙資源のみならず石油由来資源を多く使用することに関してのライフサイクル全体での環境影響の問題。

これら上記の2点が考えられる。

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第2章:「メーカー毎の環境配慮の取り組みはどのようなものがあるか?」

今回紙おむつの製造しているメーカーを選定するにあたって、衛生材料団体の業界団体である、一般社団法人 日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している27社を対象として選定した。

その理由として、衛生材料製造業者、輸入販売業者が連絡を強固にし、衛生材料の品質の向上、斯業の発展を図り、国民保健の向上に寄与するという目的の元連合会が組織されており、また名だたる主要メーカーが所属している事が挙げられる。

以上のことから日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している企業に関して調査を行えば紙おむつ業界の全体像が分かるのではないかと考えた為である。

調査方法としては日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している27社のホームページを閲覧することによって調査を行った。

そしてどのような取り組みが各社で行われているか調査を行った

表3

※₁…池田紙業株式会社は不織布の生産会社
  ※₃…文献表出典3
  ※₄…文献表出典4
  ※₅…文献表出典5
  ※₆…文献表出典6
  ※₆…文献表出典7
  ※₆…文献表出典7

調査結果は上記の表からから分かるように、紙おむつの環境への配慮はほぼ進んでいないのが現状である。さらに配慮が進んでいる企業は一部の大手企業にとどまっている。

また、王子ネピア株式会社等の会社ではテッシュペーパーなどではFSC活動などを行っていたが、その対象商品に紙おむつは含まれてはいなかった。

このように企業全体での省資源・自然資源の保護を行っている企業はあるものの、その取り組みが紙おむつにまで波及していると明記されている企業はごく少数であった。

以上の理由から紙おむつのメーカーの取り組みは浸透・普及しているとは言い難いのが現状であると考えられる。

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第3章:「企業はどのような取り組みをしているのか?」

前述の第2章では日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している27社の紙おむつに関する環境への配慮に関して実際にどの様なアクションを取っているのか、調査を行った。

そこでこの章では第2章において実際に取り組みが確認された全5社(大王製紙株式会社・日本製紙クレシア株式会社・ピジョン株式会社・ユニ・チャーム株式会社・株式会社リブドゥコーポレーション)の環境への配慮の取り組みを調査していく。

1.  大王製紙株式会社

大王製紙株式会社では“森のリサイクル”と呼ばれるFSC森林認証・PEFC森林認証を得た世界的な植林活動を行っている。

また古紙のリサイクルの推進・グリーン購入法に対応するための方針の設定などの全社を挙げた取り組みを推進している。

2.   日本製紙クレシア株式会社

日本製紙クレシア株式会社では、日本製紙グループ行動計画、環境行動計画「グリーンアクションプラン2015」の中で森林資源の保護育成を掲げている。

その中で持続可能な資源調達のため海外植林事業「Tree Farm構想」を推進し、海外植林面積 20万haを目指す、国内外全ての自社林において森林認証を維持継続する、輸入広葉樹チップの全てを、PEFCまたはFSC材とする、トレーサビリティを充実させ、持続可能な森林資源調達を推進する、といった取り組みが述べられている。

また日本製紙クレシア行動計画の中においても、森林資源の保護育成・環境に配慮した技術・製品の開発といった内容の取り組みを述べている。

3.   ピジョン株式会社

ピジョン株式会社ではISO14001環境マネジメントシステムの認証・環境配慮製品の制作が行われている。

生産されている環境配慮製品は、乳幼児用おむつではあるが、おしっこ吸収ライナーと呼ばれる給水材をパンツ型紙おむつにセットして使用することで、おむつの使用枚数は約半分に減らすことができ、ゴミの削減につながることが出来るなどの特徴がある

4.   ユニ・チャーム株式会社

ユニ・チャーム株式会社では「環境負荷低減」と「商品価値向上」の両方の厳しい基準をクリアした環境対応型商品に、ユニ・チャーム独自のエコラベル「エコチャーミングマーク」を表示している。2008年から開始したこの制度は、現在25品目の商品に適用されています。運用においては、ファクター(商品の環境負荷と価値(機能など)を定量化し、新旧商品の比較を行い、評価する環境指標のひとつ)の考え方に基づき、独自に作成したエコラベルガイドラインに沿って判断している。

そしてエコチャーミング商品の一例の中には介護用紙おむつ・リハビリおむつ等の商品が確認できる。

ハード面では2009年に自立支援を可能とする排泄ケアを目的に、尿吸引ロボ「ヒューマニー」を発売した。この機械は専用の尿吸引パッドに内蔵されているセンサーが尿を感知し、瞬時に尿を自動的に吸引し、タンクに尿を溜める。夜間のおむつ交換が不要となり、1日1枚のパッドの交換で過ごせるので排泄ケアの負担を軽減、紙おむつの使用枚数が減り、ゴミの量を重量比で90%減らした。さらにCO2の排出量も80kgとなり、紙おむつと比べて大きく削減している。

生物多様性の面での取り組みは、2014年度の活動の中で当社製品の吸収材に使用するパルプは管理された森林から採取した木材パルプで、持続可能な資源利用に努めている。

5.   株式会社リブドゥコーポレーション

株式会社リブドゥコーポレーションでは紙おむつ リサイクルシステムへの取り組みを進めている。高齢者人口の増加に伴い、紙おむつの使用量・排出量は増加の一途をたどっており、紙おむつの処理問題は地方自治体にとって大きな課題となっている。福岡県では、17都市圏が連携して「福岡都市圏紙おむつリサイクル検討委員会」を組織し事業化へ向けた取り組みが進められている。

リブドゥコーポレーションは、リサイクル事業者であるトータルケア・システム株式会社(福岡県福岡市)へ資本参加を行い、紙おむつメーカーの立場から紙おむつリサイクル推進に協働して取り組んでいる。また、全国初の事例として、家庭で使用した紙おむつをリサイクルする自治体(三潴郡大木町)の取り組みに共同参加し環境事業と福祉事業が融合する事で在宅高齢者の見守り等が実現する等、地域社会と自然環境に配慮した循環型社会づくりに貢献している。


以上が、実際に取り組みが確認できた全5社(大王製紙株式会社・日本製紙クレシア株式会社・ピジョン株式会社・ユニ・チャーム株式会社・株式会社リブドゥコーポレーション)の環境への配慮の内容である。

傾向としては、多くの企業としては森林の保護に重きを置いているという事が挙げられる。

また現状では難しい紙おむつのリサイクルを推進している企業は1社に止まった。

さらに、紙おむつの多くを占める石油由来の材料に関して取り組んでいるような言及は一社も無かった。

この結果を裏付ける要因として、紙おむつのパルプは全体の重量の70%程度使用されているという報告書も存在する。 しかし、だからといって有限である石油資源を少しでも削減しようとする意識が無いのは問題であると考える。

それ以外でも、多くの会社で実施している古紙のリサイクルは、製品性能・肌触りなどの品質等の各種問題から、未使用のバージンパルプが好まれるため使用例は少ないのが現状であり、紙おむつへの古紙の使用はこの調査では1社も見られなかった。

その為紙おむつの環境への対策としては十分であるとは言えないと考えられる。

以上を踏まえて調査結果としては、紙おむつの製造企業において、環境への配慮を行っている事は確認できたものの、主に森林資源の保護に留まり、偏りがあった。

さらに内容的には不十分であり、またリサイクルの取り組みを行っている企業は一社に止まりその成果等の記載も無かった。

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第4章:「なぜ紙おむつはリサイクルが推進しないのか?その問題点は?」

第2章・3章で述べた通り、紙おむつの環境配慮への取り組みは大手でしか見られず、また紙おむつのリサイクルは一部では取り組みが行われているが、全国的にはまだリサイクルは推進されてはいなく、焼却処分が大半を占めるという現状がある。

紙おむつのリサイクル・また再生材料の使用等の取り組みが推進しない要因はどのようなものが挙げられるのか、この章では調査を行う。

紙おむつはその製品特性上、実際に人体に触れるという特性が存在する。

その為衛生面には細心の注意を払うため、安全衛生上の観点から、バージンパルプ・バージン紙が使用されてきている。その為再生紙の需要が無く、安全衛生上の性能に疑問点があるという印象がある再生材料の使用は行われていない。

またそれ以外に、パルプは再生する毎に繊維が短くなり、その結果バージンパルプと比較し再利用した場合には吸収性能が劣化してしまう問題が存在する。

その為バージンパルプを使用した製品より性能の点で劣る為需要が低くなっていると考えられる。

さらに衛生面でも多くの問題点がリサイクル・再生材料の使用を妨げている。

使用済み紙おむつは一度し尿が吸水材等に付着する。その為、単に紙おむつを素材別に分離するだけでなく、さらに薬剤を用いた消毒・滅菌等の手間が掛かる処理工程が必要になる。その為専用の機材・設備、また費用・時間が必要となってくる。

また、紙おむつのリサイクル品ということで不衛生であるというイメージがついている為なかなか利用が進めることが出来ないという側面も存在する。

他にもパルプを堆肥化して肥料を作る技術も研究されているが、この方法も採算性や堆肥としての品質面に課題が残されているのが現状となっている。

以上のように現状においては紙おむつをリサイクルするための様々な施策には、多くの新たなエネルギーを消費することや、衛生面・製品性能等・需要や環境面などを考慮すると、現時点ではあまり有効な手段とは考えることは難しいのが現状となっている。

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第5章:「実際に行われているリサイクルの実例はどのようなものがあるか、その際の課題とは?」

第4章では紙おむつのリサイクルを行う際の問題点を取り上げた。

しかしこの状況下において福岡県において官民共同の紙おむつのリサイクルを行う実証実験が行われるという興味深い例が存在した。

本章では福岡県で行われた実証実験を元に、リサイクル方法の可能性・問題点を調査した。

「福岡県での実証実験は、平成 25 年 7 月に、学識経験者、排出事業者関係機関及び福岡都市圏の 17 市町(福岡市、筑紫野市、春日市、大野城市、宗像市、太宰府市、古賀市、福津市、糸島市、那珂川町、宇美町、篠栗町、志免町、須惠町、新宮町、久山町及び粕屋町)で構成する福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会(委員長=北九州市立大学国際環境工学部 伊藤洋教授)を立ち上げた。」(文献表出典9)

その背景として福岡市では高齢化が進行しており、それに伴う高齢者人口の増加が予想されている。

紙おむつの組成特性は「パルプ・プラスチック及びポリマーの複合材料で構成されており未使用重量は大人用約 50gなるが、パルプが70%程度使用されている。」(文献表出典9)

使用した場合、吸水材等が屎尿を吸収し重量が増す。さらに、し尿が多く含まれるために燃えにくく、紙おむつの排出量が増加した場合助燃材等の使用による焼却コストの増加が懸念される。

また「使用済み紙おむつのほとんどが、可燃ごみとして自治体の焼却施設等で処理されている。一部で熱回収といったサーマルリサイクルは行われているものの、マテリアルリサイクルは全国でもほとんど実施されてはいない。」(文献表出典9)

その理由として使用済み紙おむつについては、使い捨てという用途上や衛生面への配慮等が挙げられる。その為主に適正処分としての焼却処理が行われている。

しかしリサイクルを実施することによって針葉樹パルプの使用量削減・焼却ゴミの低減・リサイクル処理におけるCO₂の削減などの大きなメリットが生まれるという事である。

その結果、「福岡県では水溶化処理システム(パルプとポリマーの分離技術により、パルプ・プラスチック及び汚泥を取り出し、精製した再生パルプから建築資材、プラスチックから、FRP、汚泥から土壌改良材へのリサイクルを確立することに成功した。

平成 17年にトータルケア社が大牟田エコタウン内に大牟田プラントを設置し、世界で初となる紙おむつのマテリアルリサイクル事業が行われた。」(文献表出典9)

この実証実験では様々な問題点が浮上した。

まず、消費者の意識の面での問題点が明らかとなった。

福岡市が調査を行った紙おむつをリサイクルしたくない理由(複数回答有)では、圧倒的に「衛生面での問題が気になる」というものが上位を占めていた。

その為衛生面での取り組み、実際の数値などを公表して消費者の理解を得ることが重要であると考えられる。

図4

図:紙おむつをリサイクルしたくない理由:福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会報告書(案) より引用(文献表出典9)

またその他に制度の問題点も調査から見つかった。まず紙おむつのリサイクルを推進する際の条件として挙げられるのは、以下の通りである。「大きな割合を占めているのは、「リサイクルに係る料金がごみ処理料金と同等かそれ以下であること(68.9%)」、「定期的に回収してもらえること(66.1%)」、「分別・前処理(大便等の除去)に手間がかからないこと(62.6%)」がそれぞれ 60%を超えている。

以上のように現状では、コストや分別の手間といった実務的な条件が紙おむつリサイクルを推進するうえで課題となることがわかった。」(文献表出典9)

図5

図:紙おむつリサイクルの推進条件:福岡都市圏紙おむつリサイクルシステム検討委員会報告書(案) より引用(文献表出典9)

上記のように、使用済み紙おむつのリサイクル処理料金を、現在のごみ処理料金よりも安価に設定することができれば、経済原理により焼却処理からリサイクル処理に自然と変更される可能性が高いが、逆に、紙おむつのリサイクル料金が、現在のごみ処理料金よりも高い場合は、経済原理のみではリサイクルは進まない可能性が高い。

この場合、紙おむつのリサイクルを推進するためには、何らかの行政施策が必要となる。

考えられる行政施策としては、
1.   事業系一般廃棄物の処理料金の値上げ
2.   ごみ処理料金の徴収方法を有料指定袋制から従量制に変更
3.   事業系紙おむつに係る処理料金の設定
4.   事業系紙おむつの受入禁止措置
が存在する。

しかし、上記の施策は排出事業者の理解を得られる説明が困難であり、いずれも排出事業者の経済的負担の増加となることなどから、ほとんどの自治体において、どの行政施策も実際に実施することは困難であるとしている。

さらに紙おむつリサイクルにおける分別及び収集運搬に係る課題・紙おむつリサイクルの処理料金 ・紙おむつの回収量の確保 ・紙おむつの広域的な収集運搬 ・排出事業者の協力・自治体の責務及び協力 といった問題・課題を解決することが出来なければ、紙おむつのリサイクルを行うことは困難となってくることが考えられる。

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結論

今回の調査においては、衛生材料団体の業界団体である、一般社団法人 日本衛生材料工業連合会、全国紙製衛生材料工業会の紙おむつ部会に所属している27社を対象として選定した。調査方法はインターネット上に掲載されているホームページの情報のみを行った。

その結果、27社の内、僅か5社のみが環境への配慮についての記載が有るに留まった。

また環境配慮の取り組みも主に森林資源の保護に偏りが見られ、さらに既存の紙おむつで多く使用されている石油起源の材料に関しての取り組みは紹介されていないという事が判明した。

それ以外では現状では難しいとされていた紙おむつのリサイクルに積極的に参加している企業があるという事も今回の調査を踏まえて判明した。

以上が「介護用紙オムツの環境負荷とメーカーによる環境配慮の実態はどのようになっているのか?」という今回のテーマに関しての取り組みの現状である。

今回はインターネットのみの情報収集に留まったので今後は実際にヒアリングをしてみるなどネットの情報以外の収集を行う必要性があると考えられる。

また今回の調査で環境配慮の取り組みに偏りがあることが判明した。

紙おむつに使用されている石油由来の素材の原料は有限の化石燃料である。

有限である石油資源を少しでも削減しようとする意識が無いのは問題であると考える。

なぜ紙パルプのみの配慮に留まっているのか、石油起源の材料に関してはどのような取り組みがなされているのか、またされていなかった場合はどのような理由があってなされていないのか等の背後関係の調査も重要になってきているのではないかと考える。

その原因・理由が明らかになればその改善を図ることで今後一層の環境配慮の取り組みの推進に拍車がかかり結果的に環境に良い製品が出来るのではないかと考える。

それ以外に特徴的だったものは紙おむつのリサイクルの推進の事例である。

今回調査した福岡県での事例は非常に興味深いものであり、また大都市での実証実験であったので課題・改善点を克服すれば東京・神奈川などの大都市でも同様な紙おむつのリサイクルの計画が実行可能ではないかと考えられる。

実際に企業・自治体の担当者等に話を聞くなどしてどのようなリサイクル(紙おむつをリサイクルするとまた紙おむつに生まれ変わるのか)が行われているのか、どのような問題点があるのか、何がリサイクルの推進には必要なのかなどを調べていきたいと考える。

【今後調査したいこと】

以上のような考察点を今回発見することが出来たので、今後は国内、特に海外の事例を見つけ、福岡県の事例を比較しつつ今後の研究を進めていきたいと考える。

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文献表

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