レジ袋使用の国内外の取り組みと意識

山本美沙   2016.2.23 UP

概要

現在、環境問題について注目度は高くなってきている。消費者だけでなく、企業側も多くの取り組みを行ってきている。また、近年レジ袋に関して商業施設やスーパーマーケットでは無料化や有料化でたびたび議論されている。レジ袋に関しては家に持ち帰った後、大量に余るということを多くの人が経験されていると思う。現在、日本国内では年間300億枚ものレジ袋を消費している。これを人口で割ると、国民1人あたり年間約300枚使っている計算となる。また、そのほとんどがゴミとして捨てられている。

そんな中、「改正容器包装リサイクル法」が施行された。これはレジ袋対策に重点を置いたものであり、主な内容としては容器包装をたくさん使う小売業者に対してレジ袋の有料化など削減に向けた取り組みを国に定期的に報告するように求めるというものだ。しかし、コストおよび効率両面でのリスクがあるため、なかなか進展していないのが現状である。また、有料化による客離れも懸念されている(地球温暖化白書,2013)。

その一方で、消費者自らがマイバックを使用してレジ袋を使用しないという動きや、有料化にした場合購入しない分家計にやさしくしようという働きが増えている。そこで、さまざまな地域との比較について現在のレジ袋についての行動を研究したいと思う。

目次

1.   レジ袋と環境問題

レジ袋が大量に消費されることによって3つの問題が考えられる(地球温暖化白書,2013)。石油枯渇の問題、ごみの増加によって埋め立て地の減少、自然界への影響である。

レジ袋は石油で大半が作られている。石油は無限にあるわけではない。限りある資源を大切に使うためには、余分なものを作らないようにする必要がある。

ごみの増加においては1回の買い物につき、毎回レジ袋をもらうと1年間で不要なレジ袋が何枚存在するのだろうか。その処分によって今ある埋め立て地がなくなりつつある。また、その現状を止めるためにも、不要なゴミは出してはいけないのである。最後の自然界への影響に関しては、よく街中を見かけるとレジ袋が落ちていることがある。これを動物が口にしてしまったり、川に流されたレジ袋を魚が口にしてしまったら、胃で分解することができず、死に至ることもある。このような原因は人間である私たちに責任がある。だからこそ、自分たちのことだけではなく、共に共存する動物たちのことも考えなくてはいけないのである。

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2. 国外の取り組み

海外でレジ袋に対する取り組みを始め、成果が出ている国がある。それは北欧にあるアイルランドである。その政策はアイルランド政府が2002年に採用したレジ袋税である。世界で初めて消費者に直接、税を課すもので、最初はレジ袋1枚につき15ユーロセント(約21円)であった。税導入後の5カ月間にレジ袋の使用量は90%以上減少し、ゴミのポイ捨ても大幅に減った。しかし年月が経つにつれ、レジ袋の利用がじわじわ増え始めたため、2007年に22ユーロセント(約31円)に増額され、2011年には、レジ袋の使用枚数を一人当たり年間21枚以下に抑えることを目標に法律の改正が行われた。

法律または自主的な取り組みのいずれかによって消費者がレジ袋にお金を出している国はほかにも、ベルギー、ブルガリア、フランス、ドイツ、ラトビア、オランダなどがある。主に欧州の国が多い理由には、欧州は環境意識についてとても関心が高いのである(未来共創イーズ,2014)。だからこそ、国の政策の方針にも、理解を示し行動に移すことができたのだと思う。

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3. 国内の取り組み

日本国内では、いち早くレジ袋に対する取り組みを行った自治体ある。東京都杉並区である。2002年にすぎなみ環境目的税条例可決されたもので、レジ袋税とされる。その後2008年4月に「杉並区レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」に改定された。

杉並区はマイバック等の持参率を60%にすることを目標にしている。 実際に行ったこととして、レジ袋を有料化にした店舗に訪れた人に対する正しい理解を促進するために、認知度の向上、実施目的の正しい理解、先進的施策としての理解を呼びかけたのである。

その次に、自治体への協力の理解度向上である。商店街のお店だけではなく、スーパーやコンビニなどの店にも呼びかけを行うことによって、地域を挙げての取組みになるようにしたのである。

また、店内の告知も多く行っている。レジ付近だけではなく、店内の様々な場所にポスターの設置をしたり、かごの近くにマイバック持参の呼びかけも行い、買い物客が目につくところの多くに設置することによって、協力を求めたのである。

レジ袋持参の際の特典は各店舗によって異なるが、利用者が得をするようなものになっている。

杉並区の取り組みはほかの自治体の一例ではあるが、コンビニでもレジ袋の削減が行われていいて、成果が出ているのは珍しいと思う。

しかし、日本人はレジ袋有料化について、欧州のように理解がある人が多くない。また男女で差があるのも事実である。
そこでいくつかアンケート事例を挙げて、考察を行ってみる。

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4.事例①

インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチの「DIMSDRIVE」
「レジ袋に関するアンケート」を2007年3月7日(水)~3月15日(木)にかけて行った調査。
回答者は全国の男女7,504人(男性:3,122人、女性:4,382人) スーパーのレジ袋有料化には「賛成」43.9%、「反対」22.6% 調査方法:インターネット

図1

(出典:ネットリサーチDIMS DRIVEのウェブサイトより転載URL: http://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2007/070413/

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4.1 調査内容

調査内容はマイバックの持参率について男性と女性、年代別での比較での調査を行っている。

質問項目では、レジ袋の有料化の是非、スーパーの利用頻度、持参理由等の項目である。

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4.2 調査結果

レジ袋有料化については、賛成が43.9%、反対が22.6%という結果になり、男性が女性よりも反対する人が多かった。

この背景には、スーパーの利用頻度が女性の方が多く、普段からレジ袋についての意識が女性の方が多いからだと思われる。

利用頻度から、多く利用している人ほど、マイバックを持参している人が多く、利用頻度が少ない人程、持参率は低くなっている。 性別においても、男性と女性で大きく分かれ、女性の方が持参している人の割合は高い。

年代別でも、若い人程持参している割合が低くなっている。 性別と年代を合わせて比較しても、男性は女性の半分程しか持参していないことが分かる。

マイバックを持参している人の中での持参理由が最も多かったのが、マイバック持参での、ポイントや割引などの特典のため。という意見が多かった。しかし、環境に関して持参している人も多かったため、特典等によって左右されているわけではないということも見受けられた。

最後に、レジ袋が有料化になった際で、男性の方が反対意見について多かったのだが、その背景には、女性に比べたらスーパーに行く頻度が少ない他に、突発的に買い物に行くことも多いために、常に持参することが容易ではないからだと思われる。また、有料化になった際には無料の店に行くという離店意見もあった。

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5. 事例②

調査対象:株式会社MS&Consulting社登録モニター 実施日:平成27年6月17日(水)~7月6日(月)
調査方法:インターネット 男女20代~50代それぞれ200名程 合計1800名
日本フランチャイズ協会より委託されて実施。

5.1 調査内容

レジ袋の使用について、コンビニとファーストフード店での必要の比較より、38項目の質問で調査。

質問の設問方針としては、スーパーマーケット利用時のレジ袋、マイバックに対する意識とコンビニやファーストフード店利用時の意識の違いを明らかにする。

コンビニとファーストフード店のレジ袋は顧客満足度と深く関連されているのか。
持ち帰ったレジ袋の活用内容の確認を行う。
フリーコメントを設定し、あらかじめ設定しておいた仮説とつながるか検証を行った。

5.2 調査結果

レジ袋の使用はコンビニやファーストフード店の利用が多く、マイバックの持参は少ない。

レジ袋の有料化に関しては、コンビニやファーストフード店は反対が多い。その理由の一つとして、予定なく訪れた際に商品を入れる袋を持参していないことが挙げられていた。また。有料化にした場合そのお店から離反する可能性が高いという意見が多かった。

一方持ち帰ったレジ袋に関しては、ゴミ袋として利用している人が多かった

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6.考察

2つの事例より、日本人は環境について関心は持っている。しかし、行動に移すことができないと思う。ファーストフード店とコンビニでのレジ袋の使用についても、実際にアルバイトを行っている私自身毎回のお客様に袋を提供している。また、ファーストフード店に至っては過剰包装であると思う。包まれているものにまた袋を入れ、それをまた袋に入れる。これが全てゴミになるのだから、購入する消費者も関心があっても、当たり前だと考えているために、行動に移すことができないのだと思う。しかし、いらないと思っても、もらってしまうのが今日の現状だと考える。また、事例のように有料化になった際の離店する消費者の意見が多くの店で積極的に有料化にする運動にならないのも現状だと思う。アイルランドや杉並区のように、政府や自治体が先頭を切って政策・行動を行い、日々の日常の当たり前を変えることや、私たち消費者も未来社会について考え・協力的になれば良いと思う。

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7.参考文献

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