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岩野研究室について
岩野研究室では
知的な音メディア処理システムの提案と構築
を目的として研究を行っています.
音を中心としたマルチメディア情報を対象として,それらを人間のように処理・認識・理解する
コンピュータシステムの提案や構築に関する研究を行います.システムを作るための基礎技術の開発,それらを応用した実用システムの設計・構築,
システムが社会に及ぼす影響の調査・評価までを研究対象とします.
【関連キーワード】
音声認識,話者認識,音楽情報処理,インターフェース,画像認識
当研究室では 『基礎技術』 ⇔ 『実用システム』 ⇔ 『人・社会』 の関わりを意識して研究活動を行います.
最近の研究例のご紹介
・音声認識機能を有するスマートフォンのアプリケーション開発
「音声で操作が可能な音楽再生アプリ」「音声対話を強制する目覚ましアプリ」
「スマートフォンの置き場所が分からないときに対話で場所を突き止めるアプリ」など,
音声認識機能を搭載した,ユーザにとって便利で,面白いアプリケーションの開発などを行っています.
【研究発表例】
・小山 隼, 岩野公司, “音声対話を用いたスマートフォンの位置特定アプリケーションの開発,”
電子情報通信学会総合大会 情報・システムソサイエティ特別企画学生ポスターセッション予稿集, ISS-SP-265, p. 265 (2015-3).
・音声対話ロボットの機能拡張に関する研究
「応答を差別化することで知的に見せたり親近感を沸かせたりするロボット」
「笑い声に反応して笑い返すロボット」「クイズで教育支援を行うロボット」など,
様々な音声対話ロボットに関する研究を行っています.学園祭などでは,ロボットのデモも行っています.
【研究発表例】
・市岡陽子, 岩野公司, “集団共有型ロボットにおける応答の差別化による親近感向上の検討,”
情報処理学会第74回全国大会講演論文集, vol. 4, 5ZA-7, pp.65-66 (2012-3).
・模倣音声による詐称攻撃を考慮した話者照合
音声(声紋)による個人認証である「話者照合」に対して,声真似(模倣)による「詐称攻撃」がどの程度の悪影響を与えるのか,
物真似によってどのような特徴の変化が生じているのかを分析する研究を展開しています.
【研究発表例】
・岩野公司, 堀畑拓斗, “物真似タレントと素人による声真似攻撃が話者照合に与える影響の分析,”
第8回バイオメトリクスと認識・認証シンポジウム, pp. 32-33 (2018-11). 【優秀発表賞受賞】
・曽根泰斗, 岩野公司, “声真似攻撃に対する話者照合システムの脆弱性の分析,”
電子情報通信学会総合大会 情報・システム講演論文集1, D-14-16, p. 178 (2015-3).
・岩野公司, 曽根泰斗, 坂本香菜子, “声真似が話者照合に与える影響と物真似音声の音響特徴の分析,”
電子情報通信学会技術研究報告, SP2014-134, vol. 114, no. 411, pp. 43-48 (2015-1).
・複数スマートフォンで収録された多人数会話音声の処理
「多人数での会話音声を参加者各自のスマートフォンで録音し,その音声をクラウド上に蓄積し,一括処理する」
といった未来の情報環境における新たな情報システムの開発を目指して,それらの音声から「誰と誰が会話を行っているのか(対話グループ検出)」
「いつ誰がしゃべったのか(話者決定)」を自動推定する手法の研究を行っています.
【研究発表例】
・荒毛祐紀, 岩野公司, “複数スマートフォンで収録された会話音声のためのグループ数推定機能を有する対話グループ検出,”
情報処理学会第78回全国大会講演論文集, vol. 2, 7Q-1, pp. 531-532 (2016-3). 【大会学生奨励賞受賞】
・小平優希, 篠田浩一, 岩野公司, “複数スマートフォンで収録された会話音声の相互スペクトル減算を用いた話者決定,”
情報処理学会第78回全国大会講演論文集, vol. 2, 7Q-2, pp. 533-534 (2016-3). 【大会学生奨励賞受賞】
・日本語楽曲の旋律と歌詞のアクセントの関係分析
日本語の楽曲のメロディ(旋律)と歌詞を読み上げた時の声の高低パターン(アクセント)の類似度を分析することで,
時代による曲調変化やヒット曲の法則性の調査などに有用な知見を得ることができます.
研究室では,楽曲のMIDIデータと歌詞テキストを独立に与えた状況で,旋律とアクセントの類似度を自動的に分析するシステムの構築を進めています.
【研究発表例】
・藤村春花, 岩野公司, “日本語楽曲の旋律と歌詞のアクセントの関係分析のための自動対応付け,” 情報処理学会第79回全国大会講演論文集,
vol. 2, 3L-2, pp. 75-76 (2017-3).【大会学生奨励賞受賞】
・楽曲検索システムのための楽器演奏区間検出
楽曲中の演奏楽器の詳細な情報をクエリとすることで,様々な場面で「こだわった」楽曲の検索が可能になります.
そのためには,楽曲から「どの楽器がいつ演奏されているかを」自動的に抽出する必要があります.
研究室では,Deep Neural Network などを用いた高精度な楽器演奏区間検出手法の開発を進めています.
【研究発表例】
・金田 響, 岩野公司, “Deep Neural Network を用いた楽器演奏区間検出,” 情報処理学会第78回全国大会講演論文集,
vol. 2, 5Q-4, pp. 501-502 (2016-3).【大会学生奨励賞受賞】
・音楽の調変化に対する相対的な色聴の分析
「色聴」と呼ばれる「音を聴くと特定の色が見える能力」を有する人が存在しますが,一般の人に,両者の間に特定の統一的な関係性を見出すことは困難です.
そこで一般の人でも共通に感じることができる普遍的な「楽曲と色の関係性」として,
「楽曲の調が『変化』したときに,対応するイメージ色がどのように『変化』するか」といった「差」を考慮した相対的な知覚を取り上げ,
その調査を行っています.
【研究発表例】
・木村五洋, 岩野公司, “音楽の調変化に対する相対的な色聴の分析,” 情報処理学会第75回全国大会講演論文集, vol. 2, 3R-5, pp. 253-254 (2013-3).
・発声障がい者の会話支援を目的とした音声出力システム
喉頭がんなどで喉頭を摘出してしまった人は,会話を行うことが難しくなってしまいます.
こういった方々のために,音声合成技術を利用したポータブルな音声出力システム「VOCA(Voice Output Communication Aids)」が開発されていますが,
応答の即時性や,イントネーションなどの韻律操作の自由度に問題を抱えています.
本研究室では,応答即時性や韻律操作性を重視した,タブレットPCやスマートフォン上で動作する新しいVOCAの開発を行っています.
【研究発表例】
・仲戸川桃子, 岩野公司, “モーラ単位音声出力を用いた発声障がい者のための会話支援システムの生成応答の評価,”
日本音響学会2014年春季研究発表会講演論文集, 1-2-9, pp. 1479-1480 (2014-3).
・仲戸川桃子, 岩野公司, “モーラ単位音声出力を用いた発声障がい者のための会話支援システム,”
日本音響学会2013年秋季研究発表会講演論文集, 1-2-4, pp. 1385-1386 (2013-9). 【学生優秀発表賞受賞】
・環境保全を目的とした画像解析・動画認識を用いた観察支援システム
環境保全を目的として生態系の観察を行うことは非常に重要です.しかし,その労力は非常に大きいため,
録画した動画像や撮影した静止画を自動的にコンピュータで解析・認識することが望まれます.
本研究室では,環境学部の研究室と共同で,「チョウの観察支援システム」「野鳥出現の自動検出システム」
「野鳥の卵の模様の自動解析手法の開発」などの研究を行っています.
・写真スライドショー作成のための不要画像の自動検出システム
飲食店などで「場の雰囲気」を演出するための一つの手段として,店の雰囲気に合った写真をスライドショーとしてプロジェクタで投影する方法が
考えらます.日常的に撮影した大量の写真の中からスライドショー向けのものを選択するときに,例えば,一時的なメモとして撮影した写真など,
スライドショーの素材として不向きな「不要画像」を自動的に取り除くことができれば便利です.
本研究室では,このような「不要画像」を自動的に検出する手法の研究を行っています.
【研究発表例】
・筧 弾, 岩野公司, “写真スライドショー作成のための不要画像の自動検出,”
情報処理学会第81回全国大会講演論文集, vol. 2, 6T-02, pp. 405-406 (2019-3).
活動日
全体ゼミ : 毎週水曜日 13:20~
各グループゼミ : 週1回
卒業論文・修士論文のタイトル
こちらに掲載しています.
大まかな年間スケジュール
4月
* 事例研学生配属
* 前年度の事例研究発表会
* 新入生歓迎会
5月
* 研究グループ分け
6月
* 事例研究:輪講(文献を読み内容紹介)
* 横浜祭展示
7月
* 事例研究:輪講(文献を読み内容紹介)
* 個別面談(研究テーマの相談 他)
* 事例研究の構想決定
8月
* ゼミ合宿
9月
* グループ別ミニキャンプ(勉強会)
* グループ別進捗報告会スタート
10月
* グループ別進捗報告会
* That'sゼミナール準備
11月
* グループ別進捗報告会
* That'sゼミナール
12月
* NTT横須賀研究開発センター 見学会(希望者のみ)
* 忘年会
1月
* 卒業研究論文概要・本論提出
2月
* 卒業研究発表会
* 事例研究プレ発表会
3月
* 事例研究報告書提出
* 送別会
* 大掃除