「楷の木」の四季について

楷の木について

楷の木は、春には多数の淡黄色の花をつけ、秋には美しい黄色や朱に紅葉する落葉樹で、大きく育てれば高さが30メートルにもなり、樹齢は数百年に達します。

雌雄異株であって、実をつけるまでに20年ほどかかります。原産地は中国・台湾・フィリピンで、植物の分類では、ウルシ科ピスタキア属の木で、和名は「ナンバンハゼノキ」とか「トリネバハゼノキ」といいます。

横浜キャンパスと楷の木

横浜キャンパスには、楷の木が、コートの周辺や遊歩道沿いに数十本育っています。中国山東省の曲阜にある孔子の墓“孔林”の楷から採れた種を曲阜市から贈られた山浦啓榮氏(曲阜市名誉市民で、初代学部長小沼先生のご友人)が、島田照男氏(初代学部長小沼先生のご友人)の協力を得て育てた若木を、1997年3月に学部開設記念として寄贈してくれました。

学問の木「楷の木」

2500年ほど前に孔子が亡くなった後、弟子たちは3年間喪に服し、墓の周りに全国から集めた木を植えて去り、弟子の一人の子貢がさらに3年墓を守り、楷の木を植えて立ち去ったといわれています。これらの木の子孫が広大な孔林になっていて、ユネスコの世界遺産に指定されています。日本にある楷の木は、1915年に曲阜の木の種を持ち帰って育て、孔子にゆかりの地や教育研究機関に分けたのが始まりで、すべて曲阜の木の子孫だといわれています。そのため楷は「学問の木」とされて、大切に扱われてきました。