" スポーツと心理は密接な関係にある。2000年の徳井ら研究で、心理的競技能力が高い選手は好成績を収めていることが判明している。メンタルトレーニングの研究の中で経験年数などに着目した研究は少ない。  そこで、本研究では大学生ラグビーアスリートの精神面の理解促進を目的として、ポジションや経験年数の違いによって表れる性格傾向や作業特性をTEG2、バウムテストなどの5種の心理検査を使用し研究を行った。  結果としては、ポジションは5つの検査のうち1つ、経験年数は5つ中4つに有意な差がみられた。経験年数は1-9年と10年以上に、ポジションはバックスとフォワードに分類した。心理検査はいずれも10年以上のプレイヤーが優位な数値を示した。  ポジションで差が出にくかった要因として、ユーティリティープレーヤーの増加が考えられる。彼らはいくつかのポジションを兼任するプレイヤーを指す。そこから性格の同一化が進んでいる可能性が示され、最終的に現代の大学生アスリートにはポジションごとのメントレは不適応と考えられる。"