2004年 研究論文

宿谷昌則:低エクセルギー利用の建築環境システム-開発研究の現状と課題-、第53回理論応用力学講演会パネルディスカッション、20041月、pp.91-95

エクセルギーの概念を概説するとともに、ヒートポンプから建築環境システム、ヒトの身体、植物の葉に到るまでの様々なシステムがみな〈エクセルギー・エントロピー過程〉として成り立っていることを紹介した。この論文の後半では、特に建築環境に関わる事例として、断熱と日射遮蔽がエクセルギー消費パターンを変えるのに大きな役割を果たすこと、人体のエクセルギー消費が冬の場合には高めの放射温度と低めの空気温度の組み合わせで実現されることなどを紹介した。以上の議論から低エクセルギー利用の建築環境システムを開発することの重要性を述べた。

 

宿谷昌則:学部3年生による建築環境学小冊子づくりの指導  「つくる」アプローチによる教育実践  、武蔵工業大学 教育年報 第14号、20043月、pp.30-36

 1999年以来、私たちの研究室で行なっている学部3年生による小冊子づくりがどのような経緯で始められたかを述べ、これまでの作品を紹介した。この実践を行なった結果わかってきたこと、さらに学部学生を対象とした教育の問題はどこにあるのかを考えたところを述べた。多くの学生は、「与えられた問題をただひたすら解く」という姿勢を小学校以来の教育で必要以上に身につけてしまっているため、「問題を自ら設定して解く」ことが極めて苦手である。その彼らが「問題を自ら設定して解く」ことの面白さを、少々の間違いがあってもよいから体験することが重要であることを指摘した。

 

宿谷昌則:人間にとって本当に快適な住宅環境とは何か  地球環境と住まいの現在と未来を考える  Car & Home 3号、20048月、pp.146-149

 表題についてインタビューを受けた内容を活字に纏めたものである。住宅は地球環境のために建てるのではなく、どう暮らしたいかを考えて建てるのだということ;快適さを犠牲にするのが省エネルギーという誤解が環境問題を暗くする;人間は生きものであるという視点や日本に独特の風土を忘れた近代日本の住環境づくりに問題がある‥‥などを指摘した上で、適切な断熱や気密・日射遮蔽などを行ない、自然にある温湿度や日射の変動をうまく利用した住環境づくりがこれからの快適な住環境づくりの方向であることを述べた。

 

呉志成・伊澤康一・宿谷昌則:環境温度が変動する場合の壁体内部のエクセルギー蓄積と消費の検討、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.367-368

 外気温や日射量が変動する一般的な非定常状態を想定して、熱エクセルギーの伝導と蓄積に着目した数値解析を行ない、壁の蓄温エクセルギー・蓄冷エクセルギーの働きについて検討した。夏季においては、適切な日射遮蔽と夜間換気・断熱・蓄熱(冷)容量の組み合わせが昼間に冷エクセルギーを生み出すこと、冬季においては、日射取得と断熱・蓄熱()容量の組み合わせが室内空気と壁が保有する温エクセルギーを著しく上昇させることを定量化して示した。

 

津村真理・游明遠・直井隆行・伊澤康一・宿谷昌則・生島充・石川雅規:外断熱を施した集合住宅における夜間換気の効果に関する研究(その1.建物概要と住まい手の意識調査)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.597-598

 壁体熱容量を活かせるように外断熱を施した集合住宅の実例(東京・両国)について、夜間換気の効果がどの程度期待できるかを実測と住まい手の意識調査、さらに温熱環境シミュレーションによって明らかにする研究である。本報告その1.は建物概要と住まい手の意識調査の結果を述べた。この建物の住まい手の多くがエアコンの設定温度を2729℃にしており、一般的な設定温度より高めであった。また、窓を開ける行為が主に汚染物質の排出のためで、廃熱と冷却のためとする住まい手が少なめであることがわかった。したがって、住まい手に夜間換気と日射遮蔽の効果を知らせることの重要性が改めて確認できた。

 

游明遠・津村真理・直井隆行・伊澤康一・宿谷昌則・生島充・石川雅規:外断熱を施した集合住宅における夜間換気の効果に関する研究(その2.夜間換気効果の実測結果)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.599-600

 本報その2.では、外断熱 集合住宅の一室を使って、バルコニーに設置した日除けの効果と、夜間換気の効果とを実測した結果を述べた。日除けのある場合の窓面透過日射量は、日除けの無い場合の約1/5となること、日除けのない場合に居間空気温の降下幅は、最大でも1℃程度であったのが、日除けがある場合には、2.8℃となることなどを確認した。なお、夜間の内部発熱(電灯照明やその他家電機器)をできるだけ小さくすることも重要であることがわかった。

 

直井隆行・津村真理・游明遠・伊澤康一・宿谷昌則・生島充・石川雅規:外断熱を施した集合住宅における夜間換気の効果に関する研究(その3.夜間換気と日射遮蔽の組み合わせ効果のシミュレーション)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.601-602

 本報その3.では、外断熱 集合住宅の一室を対象にした温熱環境シミュレーションを行ない、その結果をもとに冷エクセルギーや温エクセルギーの値を計算して、夜間換気の効果を明らかにした。夜間換気は、室内に蓄えられた温エクセルギーを積極的に消費させ、生成されたエントロピーを外気へ排出することであり、その結果として、昼間に冷エクセルギーを生じさせ、この冷エクセルギーの消費によって、室温・周壁温を住まい手にとって快適な温度以下に留めることができる。

 

廣谷純子・上條信一郎・姚咪・西内正人・宿谷昌則:蒸発・放射冷却パネルによる採冷の研究(その1.実験概要)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.605-606

 建築外皮の断熱や日射遮蔽が施された室に冷却能力の弱い蒸発・冷却パネルを設置し、被験者実験を行なって、室内環境物理量の把握やヒトの温冷感や心理の把握、自然のポテンシャルを活かした低エクセルギー利用冷房システムの一つとしてのパネルの効果を明らかにした。本報その1.は、作製したパネルの概要と実験の概要を述べた。パネルはカーテン生地を金属性のフレームに取り付けたもので、フレーム上部に二つのペットボトルを設置して水を生地に拡がっていくように点滴するものである。

 

姚咪・上條信一郎・廣谷純子・西内正人・宿谷昌則:蒸発・放射冷却パネルによる採冷の研究(その2.被験者実験の結果)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.607-608

 本報その2.では、被験者実験の結果を述べた。被験者は、パネル室とエアコン室・除湿室に90分間ずつ在室して、その間に15分間隔の申告を行なう。申告内容は暑さや涼しさ・寒さ、それらに伴なう快・不快感である。生理量として発汗量も15分間隔で測定した。以上の測定を行なった結果、被験者には、汗がうまくかけて団扇を扇ぐなどの行動ができる能動タイプと、汗があまりうまくかけず団扇を扇ぐなどもあまりしない受動タイプとがあることがわかった。能動タイプの被験者は、わずかな放射冷却効果でも快を感じることができる傾向が見られた。

 

上條信一郎・姚咪・西内正人・廣谷純子・伊澤康一・宿谷昌則:蒸発・放射冷却パネルによる採冷の研究(その3.蒸発・放射冷却パネルの性能)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.609-610

 本報その3.では、実験に用いた放射冷却パネルの性能を、温湿度や蒸発量の測定値を用いたエクセルギーの計算によって考察した。その結果、表面積が約1.8uのパネルでは、液体水が持つ湿エクセルギー1.6Wのうち1.2Wのエクセルギー消費によって0.4Wの冷エクセルギーがつくられていることがわかった。消費をもたらす現象は水の蒸発である。産み出された冷エクセルギーは、放射と対流がおよそ半分ずつである。

 

西内正人・廣谷純子・上條信一郎・姚咪・伊澤康一・宿谷昌則:蒸発・放射冷却パネルによる採冷の研究(その4.3室の壁と人体を出入りするエクセルギー)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.611-612

 本報その4.では、実験を行なった三室(エアコン室・パネル室・除湿室)の壁面を出入りする熱エクセルギー、三室内の空気が持つエクセルギー、三室の中央にいると仮想した人体の表面を出入りする熱エクセルギーを計算し比較検討した。その結果、パネル室の壁は1.03.4W、エアコン室は1.813W、除湿室は0.40.9Wの冷放射エクセルギーを、室内側に向けて出していること、エアコン室の室内空気は極めて大きな「乾」エクセルギーを持ち、またエアコン室の人体には極めて大きな冷放射エクセルギーが入ること、パネル室の室内空気はわずかに湿エクセルギーを持ち、またパネル室の人体には正味わずかな冷エクセルギーが入ることがわかった。

 

大森栄佳・牧内恵理子・吉澤伸記・宿谷昌則・岩村和夫:小学6年生を対称にした光環境にかんする住環境教育の実施報告、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.615-616

 この報告は、光環境にかんする住環境教育を試行した結果を述べたものである。対象は、新潟市沼垂(ぬったり)市内の小学校の6年生(一クラス)29人で、2003102日に90分間(45分/コマ×2コマ)を使って行なった。カーテンの開閉と、蛍光灯の点滅について4つの組み合わせにより異なる光環境をつくり、各自の明るさの感覚と照度の関係を児童のグループ(56人)ごとに調べ、その結果をグラフにしてまとめ、児童一人ひとりが感じたこと・考えたことを発表してもらった。その上で、自然光と電灯光の違いは何か、照明と電力の関係や住環境と地球環境の関係について解説(宿谷が担当)を行なった。

 

岩松俊哉・若月貴訓・小山洋平・宿谷昌則:小学生を対象とした住まい方調査と住環境教育の研究(その1.住まい方調査とワークショップの開発・試行)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.621-622

 20038月中旬に東京都練馬区にある小学校で行なわれた夏の涼しい住まい方をテーマとした小学36年生を対象とした住環境教育のワークショッププログラム開発とその試行結果を報告した。ワークショップの前後には小学生とその家庭を対象としたアンケート調査も行なった。本報告その1.では、ワークショッププログラムの概要を説明し、アンケート調査結果を述べた。アンケート対象の小学生たちは、自らエアコンのスイッチを入れることはないが、冷房された空かにかなり長い時間曝されていることがわかった。

 

若月貴訓・岩松俊哉・小山洋平・宿谷昌則:小学生を対象とした住まい方調査と住環境教育の研究(その2.ワークショップの結果と考察)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.623-624

 本報告その2.では、夏の涼しい住まい方を対象としたワークショップの実施結果を、脳の情報処理の特徴を踏まえて考察することを試みた。ワークショップの内容詳細はすべてビデオ撮影した。映像記録を、表情(笑顔)や視線・発言数について客観的に評価し、ワークシッププログラムの進行プロセスの中で、どのような場面で教育効果が上がっているかを調べた。以上により、脳への情報入力だけがある場合よりも、脳からの情報出力が多い場合に参加者は活発であることが確認できた。

 

小山洋平・岩松俊哉・若月貴訓・宿谷昌則:小学生を対象とした住まい方調査と住環境教育の研究(その3.絵と文から見る住環境に対する意識)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.625-626

 本報告その3.では、夏に行なったワークショップの内容が参加者の脳にどのていど定着しているかを知るために、ワークショップの半年後に、夏と冬の「気持ちのいい家」を絵と文で表現してもらうことで調査した。この調査は48人の児童を対象に行ない、そのうちワークショップに参加したのは9人であった。ワークショップに加えて屋上緑化の活動を経験している児童とそれらを経験していない児童とでは、絵と文の内容に違いが認められた。

 

足立匡俊・渡辺奈穂・宿谷昌則:光環境の調整行動と意識変化に関する研究(その1.実験概要、昼光派と電灯派の比較)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.629-630

 人が日頃おかれている光環境と、人それぞれの明るさに対する感覚・意識・行動を調査し、明るさの調整可能な光環境を体験することで、感覚や行動が変化するか否か、変化するとしたらどのように変化するかを、被験者実験によって調べた。本報告その1.では、実験の手順と、実験に用いた室内環境の概要を述べた。明るさの調整行動は大きく分けて2種類あって、一方は、日頃よく昼光に曝されている(昼光派の)人により、他方は昼間でも電灯光によく曝されている(電灯派の)人による傾向があった。

 

渡辺奈穂・足立匡俊・宿谷昌則:光環境の調整行動と意識変化に関する研究(その2.調整行動の変化と脳の働き)、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.631-632

 本報告その2.では、昼光派と電灯派で暗さの意識と調整行動、着席した場所の理由、補助照明のつけ方がどのように異なるか(あるいは異ならないか)を考察した。その結果、日頃さらされている光環境が意識や行動に影響していることがわかった。また、新たな光環境を体験することで調整行動に変化が起き得ることがわかった。以上のことを、脳の情報処理のしくみに照らし合わせて考察し、変化が起こるのは脳からの情報出力に強く依存していると考えられた。

 

大西正紘・宿谷昌則:雪を利用する冷房システムのエクセルギー評価、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.649-650

 冬季の多雪地域では、雪は天恵というよりは、捨て去りたい自然がもたらすゴミとみなされている。しかしながら、エクセルギーの視点から考えると、夏季まで保存ができれば、時間経過とともに「冷」エクセルギーが増加することになる。この冷エクセルギーを冷房(採涼や採冷)に用いることが、どのていど可能であるかを検討した。その結果、籾殻を断熱材として保存した雪は、融雪量が最大としても、かなり大きな冷エクセルギーが78月まで保存されること、雪を利用する冷房は、電力に依存する通常の冷房に比べて、エクセルギー消費量が極めて小さくなることがわかった。

 

宿谷昌則:建築環境システムの個体発生と系統発生、日本建築学会大会学術講演梗概集、20048月、pp.655-656

 生物の個体発生プロセスは、系統発生プロセス(生命進化)との対応関係を明確にすることで理解が進む。このことに対応させて、照明・暖房・冷房・換気の建築環境システムの発展プロセスを、科学や技術の発展、社会における出来事との関係に注目して、個体発生・系統発生の観点から読み取ることを試みた。科学上の発見や新技術の発明は、社会現象の影響を強く受けること、照明や暖房・冷房・換気の技術はそれぞれ独立に発達したのではなく互いに影響しあって発達したことが明らかになった。この考察によって、低エクセルギー利用の建築環境システムが今後どのような方向へ発展させたらよいかも見えてきた。

 

宿谷昌則:環境設計教育−建築環境学からのアプローチ−〈かた〉を読み〈かたち〉を見る、日本建築学会大会 地球環境部門 パネルディスカッション「地球環境時代の環境設計教育」資料集、20048月、pp.44-49

 環境設計教育の実践の一例として、「住環境システム」と題する講義の試みを紹介した。この講義の特徴は、ヒトのからだ・建築環境・地球環境を一繋がりにイメージできるようにすることを目標として構成していることである。講義は、光環境や熱環境といった従来の建築計画原論の内容に、ヒトの解剖学(形態学)的特徴や、環境物理・生理・心理の話を加えたもので、建築環境システムが地球環境システムの内側にあってはじめて成り立っていることをイメージできるようにすることを目標とする。受講生には講義内容の理解を深めるために、誰にでも手に入る材料を用いた簡単な模型実験を行なってもらう。これもこの講義の特徴である。本稿の後半は、環境設計では〈かたち〉を見るとともに〈かた〉を読むことが重要だと考えて、これらの違いを脳の働きとの関係で明らかにする筆者なりの考察を試みた。

 

宿谷昌則(編著)・西川竜二・高橋達・斉藤雅也・淺田秀男・伊澤康一(共著):エクセルギーと環境の理論、20048月、北斗出版。

 この本は、筆者らの研究室で1992年ごろから2004年までに行なったエクセルギー研究によって明らかになったことを紹介するとともに、その基礎となるエクセルギー理論の本質を解説したものである。二部構成となっており、第一部はエクセルギーの観点から地球環境システムと建築環境システムはどのように読み取ることができるか、第二部では、閉鎖系と開放系の理論を、基礎から応用までどのように展開しえるかを詳述した。

 

宿谷昌則:建築設備の歴史、日本建築学会編 シリーズ地球環境建築 専門編2.「資源・エネルギーと建築」第66.3所収、pp.147-154

 建築環境システムにはパッシブ型とアクティブ型とがあり、後者の別称が「建築設備」である。この建築設備が過去200年の間にどのように発展してきたかを、すなわち歴史を概観した。歴史は、生物で考えれば系統発生ということになる。個々の生物の発生(個体発生)は系統発生との関係の中に捉えると理解が深まることにヒントを得て、照明・暖房・冷房・換気の相互関係や、科学・技術・社会の発展との関係を重視して概観した。

 

宿谷昌則:エクセルギー、日本建築学会編 地球環境建築 専門編その2.第6章コラム所収、pp.163-165

 建築環境システムは、5つある自然の法則@質量保存、A電荷保存、B運動量保存、Cエネルギー保存、Dエントロピー生成の枠組みの中で働く。“省エネルギー”や“エネルギー消費”といった表現はCに照らして、“節水”といった表現は@に照らして、必ずしも正確ではないことを指摘して、表題のエクセルギー概念が必要となることを解説した。地球環境建築を考えていくのにエクセルギー概念は有用であって、この概念を通じて、自然にある流れ・循環のしくみに倣った建築のあり方が見えてくることを述べた。

 

宿谷昌則:省エネルギーの原則、日本建築学会編 地球環境建築 専門編その2.第77.1コラム所収、pp.166-172

 いわゆる省エネルギーとは、実のところ省エクセルギーのことである。省エネルギー(省エクセルギー)の議論では、ある目的を達成するのに、システムへ投入されるエネルギーの大小が問題なのか、それともある量の投入エネルギーに対してシステムからの出力の大小が問題なのかを明確にすべきことを指摘した。その上で、建築環境における熱・光・湿気・空気の振る舞いの基本を1)熱の流れ、2)流れの抑制と促進、3)熱の時間的変動、4)光から熱への流れ、5)熱から湿気への流れ、6)空気の出入りの順で解説した。

 

宿谷昌則:光環境計画、日本建築学会編 地球環境建築 専門編その2.第77.5所収、pp.200-207

 建築環境にある光は、空間的に必ず分布があり、また時間的に絶えず変動している。どのような分布や変動がもたらされるかは、光環境をどう計画するかによる。本稿では、1)人工照明とは昼光照明と電灯照明から成ること、2)明視照明と雰囲気照明の違いは何か、3)直接照明と間接照明の違いは何かを解説した上で、照明の総合をどのように果たすかを述べた。光源の発光効率、光の指向性・拡散性と透過・反射、光環境とサーカディアンリズム、明るさ感の後得性、光にかかわる住環境教育などについても述べた。

 

宿谷昌則:低エクセルギー利用暖冷房の国際共同研究−IEA-ECBCS-Annex37 19992004−、建築環境・省エネルギー情報 No.145 Vol.25-4200411月、pp.6-9

 本稿では、19992004年に行なわれた国際エネルギー機関(IEA)の「建築・地域社会における省エネルギー部門(ECBCS)」における表記の研究プロジェクト(Annex37)の概要を述べたものである。このプロジェクトで、エクセルギーが取り上げられた経緯をまず述べ、5年間に行なわれた研究内容を紹介した。このプロジェクトの副産物として、建築環境にかかわるエクセルギー研究の重要性が各国の参加メンバーで強く認識され始め、「低エクセルギー利用国際ネットワーク」が設立されたことも述べ、低エクセルギー利用研究の新たな展開が始まっていることも紹介した。

 

     
     
     
   

武蔵工業大学 環境情報学部 ・大学院環境情報学研究科 宿谷昌則研究室
 
Copyright ©2003 Shukuya lab. Musashi Institute of Technology, All rights reserved.