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これから平成21年度卒業研究発表を始めます。
タイトルは、HSIモデル査読システムの在り方に関する研究』-HEPの適性な普及を目的として-としました
発表者飯嶋です。宜しくお願いします。
 まず研究の背景と目的です
 自然再生や生態系復元の動きが活発化している中、そのような事業においては、HEPのように目標設定や成功基準を定量的に示す必要があります。
 しかし、日本においてHEPが開発された米国と比較しますと、公開されているHSIモデルは少なく、作成するにあたり必要とする項目が欠落しているなど利用しにくい現状から、HSIモデルにおける支援、運営、管理する仕組みの整備が指摘されています。
 本研究室においてHSIモデルを日本に普及させるために、環境アセスメント学会(JSIAにおいて、「HSIモデル公開用ホームページ」というウェブサイトが運営されています。このウェブサイトでは、掲載されているHSIモデルを誰でも閲覧・利用することができます。このホームページの、HSIモデルの掲載方法としては、環境コンサルタント、行政、専門家、一般の方などの人々が新たに作成したHSIモデルを、こちらHSIモデル公開用ホームページに投稿し、掲載するという流れになっております。
 このような背景から、今後のHSIモデルの精度・体裁の統一性及び運営・管理の向上を図るため、「HSIモデルの査読システム」を作成し、HEPの適性な普及を目的とした研究を行いました。
続いて研究方法です。
HSIモデル査読システムを作成するにあたり・・・
まず、国内におけるHSIモデルについて現状を把握するために既存の文献調査
次に、各学会などによる論文などの査読方法について、また学術誌などによる論文投稿規程などの事例調査
そして、これら1、2の参考と専門家によるアドバイスなどを基にHSIモデルにおける査読システムの行いました。
続いて研究結果です。
まず、HEPHSIモデルについて簡単に用語の説明をさせていただきます。
HEPとはハビタット評価手続きのことであり、野生生物のハビタットとしての適否から、生態系をハビタットのエサ条件や繁殖条件などの「質」、ハビタットとして機能する「空間(面積)」、ハビタットとして存在する「時間(期間)」という3つの異なる視点で主体という対象を評価する手続きのことであります。
HSIモデルとは、先ほど説明したHEPにおける「質」の部分で用いられるものであり、ある土地における特定の野生生物のハビタットとしての適性を一つの冊子に集積したものであり、HSIという指数によって、ハビタットの適否が0.0(不適)〜1.0(最適)の間で示される定量的に示したモデルのことであります。
続いて、HSIモデル公開用ホームページについての在り方についてです。
米国では、連邦地質調査局(U.S.Geological Survey, USGS)のホームページ上においてHSIモデルが公開されております。現在ここでは、157HSIモデルが公開されており、これらは全てPDF形式で、無償でダウンロードできるようになっています
また、ここに示した表1については、USGSのホームページで公開されているHSIデルの一般的な構成についてであります。米国HEPマニュアルで記載すべき項目として設定されているものであり、米国のHSIモデルはマニュアルに従って文書化が行われ、各モデルの記載項目がある程度統一されていることがわかります。
 
日本においてHSIモデル構築の正式なマニュアルが整備されていない中、投稿されたHSIモデルは全て無条件でホームページへ公開されてしまう、HSIモデルのフォーマットを一定の形にすることが出来ないといった問題があります。
HSIモデルの公開が少ない、統一がなく必要性な項目が欠落していて利用しにくい現状を、米国のようにホームページから文書化HSIモデルの構築の構造というマニュアルを示すことが国内においてのHSIモデルの適性な普及に繋がる方法の一つなのではないか・・・。
そして、これら投稿されるHSIモデル様式が統一され文書としてまとめられた1ヶ所に集中した公開場となるよう・・・
HSIモデル公開用ホームページにおいてのHSIモデル査読システムの構築に関しまして次に説明します。
まず、そもそも査読とは何なのか
査読とは、学術雑誌などに投稿する際、その学会が求める水準に達しているかどうかを確認するために、同じ分野である複数の専門家が審査に基づき内容と質を保証するシステムであります。
そのことにより、論文などの学問的な価値を適切に評価することが可能となり、また投稿者にとっても公表前に専門家の研究成果を見せることで、内容をより改善することが可能となります。
一つ「日本造園学会」の査読システムを例にして、査読というものが、とのようにして行われているのか簡単に説明したいと思います。
まず、第一に、その成果を審査するべく査読者の選定が行われます。
日本造園学会では、日本造園学会会員内外から、造園学会研究に知識と経験のあ2名の方に査読を依頼するとされています。
次に審査を行う項目についてです。この審査内容について各学会によって異なる項目であると言えます。 日本造園学会においては2)に示した7つの項目について判定するようになっています。
この7つの項目についてa.b.cの個人判定が行われ・・・
総合判定!!
査読者それぞれ行った項目別判定を、総合的に評価することによって、投稿論文の採否が決定されます。
総合判定については
ABBCの4段階に分かれており、。。。
そして、本査読システムとは
HSIモデルを作成する上で必要な項目がかけてしまっていないか精度(質)面についての審査 ホームページ上に公開する文書化について投稿規定に基づいた体裁に沿って作成されているか審査
するシステムであり、
そのことより、質と体裁について一定のフォーマットの形に統一されたHSIモデルの適性な普及と専門家の審査により公開されるHSIモデルの信頼性を保障できるシステムを構築することを目的としました。
それではHSIモデルの審査システムを査読判定方法について説明します。
まず、査読を行うにあたっての査読者選定についてです。
査読者には、生態学あるいは農学系の投稿された選定種の専門家2名とHEPに詳しい人物1名の合計3名の方を選定し、査読を依頼します。
それではHSIモデルの審査システムを査読判定方法について説明します。
まず、査読を行うにあたっての査読者選定についてです。
査読者には、生態学あるいは農学生命科学系の投稿された選定種の専門家2名とHEPに詳しい人物1名の合計3名の方を選定し、査読を依頼します。
本査読システムについての項目別判定についてです。
投稿されたHISを審査するにあたって表2に示した4つの項目を設けました。
1〜2〜3〜4〜です。
また、この項目についてのチェック項目を設けました。
体裁について示した規定に基づいて作成されているかどうか????!!!!!!!
その査読者3名がそれぞれ審査して頂く査読項目について説明します。
投稿されたHSIモデルについての「評価種に関する情報」「評価種の生存必須条件(環境要因)に関する情」「 SI及びHSIモデルに関する情報」「体裁」についてチェック項目に沿って4つの査読項目をa,b,c,d4段階の判定基準で審査を行っていただきます。そして、この項目別判定結果を基に、修正箇所がないという「A判定の受理」、修正箇所がある場合の「B定」、査読を行うことが難しいと判断した場合による「C判定の不可」の3段階のいずれかで個人判定を行っていただきます。
選定された3名査読者の個人判定それぞれを合わせることによって総合判定結果、 投稿されたHSIモデルの取り扱いについてホームページ公開の適否の判断されます。
総合判定結果は「A判定」のホームページ掲載受理、「B1判定」の軽微な修正含む場合、「B2判定」の大きな修正と含み、修正後に再査読を行う場合、「C判定」のホームページ掲載不可の4段階のいずれかで判定を行います。 3名の個人判定が全てA判定の場合、ホームページ掲載受理。 C判定を含む場合、そのまま不可。 稀に1名の査読結果がC判定、その他の査読結果にA判定を含む場合など、新たな査読者(第4査読者)を選定して査読を依頼するなどの考慮を行います。1回目の査読が終了し、総合判定結果がB2判定の場合のみ再査読となり、査読の最大回数は2回までとしました。
選定された3名査読者の個人判定それぞれを合わせることによって総合判定結果、 投稿されたHSIモデルの取り扱いについてホームページ公開の適否の判断されます。
総合判定結果は「A判定」のホームページ掲載受理、「B1判定」の軽微な修正含む場合、「B2判定」の大きな修正と含み、修正後に再査読を行う場合、「C判定」のホームページ掲載不可の4段階のいずれかで判定を行います。 3名の個人判定が全てA判定の場合、ホームページ掲載受理。 C判定を含む場合、そのまま不可。 稀に1名の査読結果がC判定、その他の査読結果にA判定を含む場合など、新たな査読者(第4査読者)を選定して査読を依頼するなどの考慮を行います。1回目の査読が終了し、総合判定結果がB2判定の場合のみ再査読となり、査読の最大回数は2回までとしました。
全体の査読システムの流れについてのフローチャートです。
まずモデルの投稿からはじまり、第一回目の査読です。
A判定、もしくはB1判定の場合はJSIAによる確認のもとホームページに掲載となります。 C判定の場合は不採用となり、1回目の査読が終了し、総合判定結果がB2判定の場合のみ、修正した後に再査読となります。
査読の最大回数は2回までとしました。
まとめと考察です。
HSIモデル査読システム構築により、構成が統一されたHSIモデルの受け入れ態勢を整える事ができ、公開される以前に専門家による審査が入ることで、掲載されるHSIモデルの信頼性は大いに向上することが期待できると考えられます。
まずは、この作成した査読システムを実際に用いて実用性が図れるか検証することが必要であり、使用するにあたって査読者の選定の依頼についての困難さ、判定における課題などが挙げられ、さらなる改善する点がでてくるだろうと考えられます。
現在、プロトタイプという原型モデルの作成を早急に行うことで、普及への対策へと繋げようとしている日本において、公開後におけるデータの蓄積、管理方法といった新たなシステム構築といったソフト面を強化することで事業への適用に繋がる質の高いHSIモデルができる方法の一つであると考えられる。
こちらが引用文献となります。
最後に、数々の貴重なアドバイスを頂きました小堀洋美先生や吉崎真司先生、参考資料とさせていただきました書籍・雑誌の著者の方々をはじめ、そのご協力してくださいました皆様に、この場を持ちまして感謝の意を表します。本当にありがとうございました。
平成22年2月13日 飯嶋大樹