公開シンポジウム「持続可能なアジア」

アジア発、宇宙船地球号への発信: 「私たち留学生、学生はこう考える」



「中国における人口と環境」(中国からの留学生)

       中国では、1970年代から「晩婚、晩産、少生、優生」の人口政策を採用し、婚姻法では結婚年齢は男子22歳、女子20歳で、実際には晩婚を奨励しているため、2-3年遅く結婚するのが現状である。。1978年から「一人っ子政策」が登場し、「優待と奨励」「制限と処罰」による徹底を図ったが、都市と農村の労働力需要などの関係から弾力的に運用されている。これらの人口政策により人口の増加率は抑えられたが、2050年には中国の人口は16億人に増加すると予測されている。
      エネルギー消費で見ると、現在、日本は世界の10%のエネルギーを消費しており、中国の人々が日本人と同じ量のエネルギーを消費したとすれば、現在の世界のエネルギーの100%が必要となる。
      また、中国のエネルギーの約7割は石炭に頼っており、大気汚染などの公害が深刻な問題であリ、硫黄酸化物、窒素酸化物、エネルギー使用による環境汚染を改善するためには、優れた環境技術がもとめられる。   中国では、環境問題に対する国民の意識はまだ高くなく、また、それらの情報も限られた部分にとどまっている。生活水準の向上は、西洋型のライフスタイルや使い捨て文化を導入することではない。私たちが現在学んでいるインターネットやマルティメディアの情報技術を駆使して、中国の国民へこれらの情報を発信することは重要なことだと考えると共に、環境情報学部の学生が率先して取り組まなければならないと思う。持続可能な社会を築くために!

     

     



「Indonesiaの森林火災」(Indonesiaからの留学生)
   

      従来、インドネシアの森林火災は雨季の到来によって自然鎮火していたが、今年は南米の海水温度の上昇によるエルニーニョの影響で異常気象となり、大災害となった。インドネシアの森林火災の原因は、他に地元住民の焼畑農業によるものがある。これらの火災がなかなか鎮火しない理由は、土壌が泥炭質で地中奥深くまで消化できないからである。  焼畑農業は、農民にとってコストがかからない生活手段である。今回、森林火災が日本でも報道され、なぜこんなに騒がれるのか不思議であった。インドネシアでは、貧困や知識不足から環境破壊に関わっていることを、自分たちが認識していないし、植林もしているが、それが環境にどのように関わっているか分かってない。食糧問題、政治経済問題など、解決すべき問題がたくさんインドネシアにはある。

      私自身、武蔵工大に学んで、森林火災が生態系へダメージを与え、二酸化炭素の排出により温暖化を進めていることを認識した。インドネシアにとって、環境問題に対する認識と環境保護政策が重要であり、それを実現するためには教育が重要であると思う。

      焼畑農業は止めようと言うのではなく、彼らが環境保全の大切さを十分に理解すること、森林火災が人々の暮らしや経済に大きな影響を及ぼすことを理解させることが重要だと思う。持続可能な生活のために!  

 

 



「韓国の経済成長と環境問題」(韓国からの留学生)
 

      韓国の環境問題の特徴は、大きく3つにまとめられる。
      第一に韓国は、経済成長に伴ない世界の10大経済大国となり、住宅や車など物質的な部分においては一定の水準に達したが、生活面では、環境や貧富の差などまだ大きな問題となっている。
      第二に、環境汚染の地域的な偏りの問題。環境汚染を減らす慎重な土地利用計画が必要だった。
      第三に、環境政策の実効性の未熟。1960年代から環境に関する法律を作り、1980年には環境庁を設立したが、実行が立ち後れた。
      ソウルオリンピックが開催された時には、好景気の真っ只中で、政府は環境に配慮した規制を多く実施し、大気汚染や交通渋滞が目に見えて解消された。しかしながら、オリンピック終了後は元に戻ってしまった。1990年には工場排水による深刻な身体障害事件まで起こり、政府の汚職問題と関連して、国民の政府に対する信頼を失ってしまった。
      これらの問題を解決するには、「環境正義」を実践することである。地球保全の活動に積極的に参加し、地球と言う村の中の一員として責任と義務を果たし、周辺国家と協力して地域の環境改善にも努力する。環境を保全しつつ経済を発展させるのは大変困難であるが、私たちにとって大切なことは、環境問題を自分の問題として考え、日ごろから身の回りの環境問題に目をむけることであると考える。

 

 


「先進国の忘れ物」(Malaysiaからの留学生)

      マレーシアでは、マハティール首相の指導の下、日本や韓国から学ぼうと言う「ルックイースト」政策が有名だが、現在、経済的に先進国の仲間入りをめざした「ビジョン2020」が進行中である。
      近年、マレーシアは賃金の高騰により、外国企業が自分達の工場を東南アジアの国々へ移転させつつある。それを防ぐため、マレーシアは国内産業を盛り上げ、自国製品の品質を高め、消費していかなければならない。現状は、原料を輸出し、製品を輸入している。原料輸出のため、熱帯雨林が伐採され、産業廃棄物が押し付けられる。日常生活の公害では、車の排ガスによる大気汚染が大きなものである。
      日本とマレーシアを比較した場合、マレーシア人の暮らしは精神的にゆとりがあると思う。電車に乗っている日本人は疲れて見え、学生を見ると、バイトや遊ぶこと以外無気力に見える。日本人は単一民族のためか、異文化の接触を恥ずかしがり、留学生とも余り話したりしないでいる。
      マレーシアでは環境に対する意識は高くなく、先進国にあった公害や環境破壊による悲劇を知らないでいる。今後マレーシアに必要なことは、環境問題を考えた、バランスの取れた開発や経済発展を目指すことである。先進国が犯した過ちを繰り返さない、自然環境や文化環境の保全を念等に置いた発展である。

     

     



「自然環境と生活環境」(Myanmarからの留学生)
 

       ミャンマーではチーク材を輸出しており、これらの管理を政府が行なっている。伐採する場合、政府へ届け出をして許可を得なければならない。チーク材は、日本のひのきのような大切なもので、丸太より製材にして輸出したほうが収益が多く、政府は製材に必要な機械を輸入し、工場を増やしている。1990年には、前年に比べ22万ヘクタールの森林が減少し、この広さは横浜市5個分に相当する。それだけの森林が伐採された。
      森林が減少するもう一つの原因は、生活のための焼畑や燃料としての伐採です。森林伐採が自然環境の破壊につながることは理解しているが、我々の生活のための、商業的、エネルギー確保のためには伐採も致し方ない。
      近年、あらゆる国々で環境保護が叫ばれている。森林伐採が地球に悪影響を与えているのは分かるが、我々にとって日々の生活を送るほうが大切であり、先進国はモノに困らない生活をしているから言えるのかもしれない。
      確かに、環境問題は世界中の人々が団結して解決すべきであり、地球を壊したくない。現在は、環境を守る資金や技術知識に乏しいのである。ミャンマーは急速に経済成長を進めている。このままでは先進国の二の舞いになってしまう。
      私たちが高度な生活水準を望むなら、先進国とは異なった方法で入手しなければならない。私たちは、自分がなにをなすべきか大学で学び考えたい。そうして行動する力を身につけたい。

     

     



「環境とCommunication」(SriLankaからの留学生)
 

      環境問題は社会や経済の発展と深く関係し世界全体で取り組むべき大きな問題です。発展途上国の資源を消費しているのは先進国ですが、先進国は発展途上国の現状を理解願いたい。スリランカには自分の庭に生える木々を含め伐採するには政府の許可が必要であり、宝石類を採掘するのにも必要である。スリランカは伝統的に環境を保護する習慣がある。
      車の渋滞とか大気汚染など大きな問題になっているが、都市のインフラの整備などn都市計画の考え方が重要である。現在スリランカでは、ごみの処理能力が限界に来ている。食べ物を食べきれないほどにテーブルへ出し幸せを感ずる食習慣がスリランカにはあり、ごみ問題とるながっている。
      約10年前、環境アセスメントを実施の後、スリランカと東部で大規模な灌漑、水力発電所の建設等が実施されたが、工事にあたってゾウの生活環境に配慮しなかったという問題があった。
      先進国は環境保護政策を強く求めているが、発展途上国では国民生活水準の向上が重要な目標であり、あらゆる分野での環境保全は後回しになっている。政治で本当に重要なことは、国が急速に発展すればよいということではなく、国民の日常生活が健康的に少しずつ確実に豊かになっていくことだと思う。
      人々の用紙が異なるように、それぞれに環境問題も違うと思う。環境問題に国境はありません。お互い心を開いて、他国の人たちと言葉を理解して交流するのが重要です。世界の人々が一緒になれる日がくれば、環境問題も解決するすばらしい日が来ると考える。

     

     



「環境に優しいLife-style」(台湾からの留学生)
 

      台湾から日本へ留学してきて多くの生活習慣の違いに気づいた。いままで当たり前だったことがそうでなかったり、快適な暮らしを求める余り、必ずしも必要でないものがあったりした。そのことにより環境問題を引き起こしていることも分かった。
      台北には、約10年前からファーストフードの店が急激に進出し、コンビニも同時に急増した。日本では、台北ほどではない。台北公郊外の山から、街の夜景を望むとたいへんきれいである。しかし、この夜景の美しさはたくさんの店や企業によりもたらされるもので、これまでの量のエネルギーを本当に必要なのだろうか。
      オートバイやバスの排気ガスや騒音公害、ごみ処理の問題も深刻になっている。東京湾のごみ埋め立て地を見学し、自分たちの国と日本でのごみ処理に対する意識の相違に気づいた。台湾では、ペットボトルなどの回収は非常に高いが、還付金目当てで、不燃物・可燃物の区別、ごみだし日の規制などない。ライフスタイルから考え直す必要があると思う。
      では我々になにができるのか。必要なものと不要なものの区別、環境や健康に害になるものは買い控える。細かいことかもしれないが、一人一人が協力していけば、大きな力になる。人々の意識が変われば、地域や国も変わってきて、環境保護の面で台湾も評価されるだろう。

     

     



「戦争の環境破壊から立ち上がるVietnam」(Vietnamからの留学生)


      ベトナムは豊かな自然に恵まれた美しい国だが、ベトナム戦争の枯れ葉剤散布によるダイオキシンの汚染がある。orange chemicalの散布で森林が枯れ不毛の土地となっており、土を入れ替え様にも莫大なお金と時間が必要であり、人体への影響も、ベトちゃんドクちゃんは皆さんご存知の通りである。
      ベトナム戦争は、大国の代理戦争とも言うべき民族同士の泥沼の戦い。枯れ葉剤による多くの犠牲は、世界に大きな波紋を投げかけ、ジャングルに限らず水源である河川、収穫前の穀倉地帯へも撒き散らされ、水や食べ物を通して汚染が体内に蓄積された。兵士だけでなく女性や子供まで、その結果その苦難は次世代へ、次々世代へ続くこととなってしまった。
      現在ベトナムでは、ドイモイ政策と呼ばれる4つの大きな政策を展開している。1つが、社会主義路線の変更、2つ目が、産業政策の見直し、3つ目が国際協力への参加、4つ目が市場経済の導入です。しかし、これらの政策による経済成長のため、環境問題が浮き上がってしまった。
      政府では、新しい政策として、「環境汚染の抑制」「外国からの技術導入」「工業地域の指定」「若者の教育強化」「外国との協調」、特に環境を考慮した工業地域の指定では、17の地域に限って重工業の開発が許可されることです。
    Budget NO for WAR,  Budget YES for ENVIRONMENT   (父からのアドバイスの言葉)
      今後のアジアの発展は、環境と産業の関わり合いが重要であることを認識しました。特にベトナムでは、戦争による環境破壊の回復と、新たに発展する産業による環境破壊の抑制という課題がある事が分かりました。この問題は私一人で解決するのではなく、共に勉強する仲間と取り組むことにより解決の糸口が見つかると信じている。

 

     
     
     
   

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学生課(世田谷キャンパス)、または留学生センター(横浜キャンパス)